《内容紹介》

 

待望の日本手話の文法入門書、ついに刊行。 

本手話とはどんな「ことば」なのか。その「発音」、語彙、文法、表現を、写真をふんだんに用いてやさしくわかりやすく解説。携帯(スマートフォン)やパソコンから動画へのリンクも可能。手話通訳者やその志望者、ろうの人々ともっと深く分かり合いたいという手話学習者にとって、必携の一冊。 
日本手話のしくみ 
この本は、手話ということばのしくみを知りたい人、あるいは、手話を学習し始めたけれど、知識が積み上がって上達していっているという実感がなかなかもてずにいる人たちのために、体系的に日本手話を説明した本です。大人になってから手話を学習する人のための「入門文法書」です。大人になってから新しい言語を学ぶ場合には、赤ちゃんが自然に周りの環境の中から母語を習得していくようなわけにはいきません。大人は1日1時間だって語学の勉強のために時間をさくのは大変です。だったら、なんとか効率よく、体系立てて覚えたいものだと考えるのは当然です。
 語学を勉強するのに、発音練習と文法、そして辞書なしで進めるのはむずかしいですよね。手話も同じです。これまで日本には、簡単にわかる手話の文法書というものがありませんでした。ですから、手話が日本語とは異なる文法構造をもつ独自の言語だということはわかっていても、それがどういう言語なのかを体系的に学習することができませんでした。
 「日本手話」は音声によらない言語です。日本語、英語、中国語などはみな音声言語の仲間ですが、日本手話はまったく別の種類の言語ということになります。
 「日本手話」というからには「アメリカ手話」だの「中国手話」だのがあるのでしょうか。そうです、あります。当然のことながら、アメリカ手話と中国手話は違うことばです。そしてじつは、アメリカ手話とイギリス手話ですら、全く異なることばなのです。手話は世界共通ではないということです。「なんだ、はじめから共通にしておけばいいのに」と思った人がいるかもしれません。音声言語でそんなことが可能でしょうか。手話も音声言語同様、世界のさまざまな地域で発生した自然言語です。いつか、どこかで誰かがつくった言語ではないのです。
 「日本手話を覚えても外国人と手話で話せないのか」とがっかりしないでください。手話にはどこの国の手話でもある程度理解できてしまう共通の「しくみ」があります。その「しくみ」もこの本の中に潜んでいますので、ぜひさがしてみてください。
 みなさんの手話学習、手話理解お手伝いをしようというのがこの本です。手話を指導しているネイティブのろうの先生方にもぜひ使っていただきたいと思います。そしてネイティブの方々が自然に身につけている、映画の実写のような語りや、3次元の地図を見ているような正確な道案内の説明など、手話ならではの魅力的な表現がどんなしくみになっているのか、どうやったらそれができるようになるのか、そのヒントを少しでも見つけていただけたら、大変うれしく思います。(「はじめに」より抜粋)