手話とろう教育Q&A

ここでは、聞こえない、聞こえにくいお子さん、難聴・ろう児についての子育て・ご相談、また人工内耳など、みなさんから寄せられるよくある質問・疑問をまとめました。その他、不明点がございましたらこちらまでお気軽にお問い合せ下さい。

ろう教育 < 1 >

日本のろう教育はどうなっているの?

昭和8年から今日まで、ろう児が聞こえる人と同じように話したり聞いたりできるようになることを目標にした「聴覚口話(ちょうかくこうわ)法」という教育を行っています。しかし、その結果は全体として成功しているとは言えず、日本語の読み書きの力も不十分です。何より、当事者のろう者たちからも「自分たちに合わない教育」と不評です。そこで最近は手話が取り入れる学校も出てきましたが、その手話はろう児にわかる日本手話ではなく、日本語対応手話です。日本語を話しながら手話の単語を示すという方法です。

ろう教育 < 2 >

ろう学校の先生はどのくらい手話ができるの?

多くの先生は、手話ができるかどうかに関係なく、ろう学校に採用さたり転任してきたりしています。ろう学校に来てからも、先生が手話について学ぶ場がきちんと保障されていません。ようやく生徒と手話でコミュニケーションできるようになった頃には、他の学校に移り、また手話を知らない先生がやってくる…この繰り返しが大きな原因となって、授業の進展が遅れています。

ろう教育 < 3 >

バイリンガルろう教育ってなに?

日本の場合で言えば「日本手話と書記日本語(読み書き)」という二つの言語を使ってろう児を教育することです。日本手話は、かれらの母語となる言語であり、すべてのろう児が自然に容易に確実に身につけます。それを土台にして日本語の読み書きを学ぶことによって、子どもたちの理解力・言語力・学力が年齢相応に発達します。世界のバイリンガルろう教育が、このことを証明しています。

ろう教育 < 4 >

海外のろう教育はどうなっているの?

北欧では20年前から、アメリカやカナダでは15年以上前から、バイリンガルろう教育が行われています。ろう児はろう者の手話を使うことで自信をもって学習に取り組み、試験で聞こえる生徒と変わらない成績をおさめたという報告も出ています。今ではアフリカ、オーストラリア、中国、韓国、モンゴル、ネパール、タイ、ベトナムなどでもバイリンガル教育のプログラムが実践されています。

ろう教育 < 5 >

「難聴児通園施設」や「ことばの教室」で手話は良くないと言われました

日本では昭和8年から、ろう学校で手話が禁止されて来ました。その後、補聴器の開発によって残聴能力を生かした教育として登場したのが「聴覚口話法」です。難聴児通園施設やことばの教室では、この聴覚口話法の早期指導を重要視しています。「手話を見せると、日本語が身につかなくなる」という説は、逆に、ろう児にとって手話が最も自然な言語であることを物語っています。現在では、手話という母語を身につけ、そして日本語の読み書きをしっかり習得するという方法があるのです。

日本手話と日本語対応手話

日本手話と日本語対応手話の違いはなに?

日本手話は、日本語とは別の、独立した言語です。独特の文法体型をもっていて、日本語とは語順が違います。手の形・位置・動きに意味があるだけでなく、肩の向き・うなずき・顔の表情・眉や口の動きなどにも文法的な意味があります。これに対して、日本語対応手話は、日本語の語順で手話単語を並べたもので、その原型は聞こえる人によって作られました。だから、ろう児には理解しにくいのです。

ろう文化と聴文化

ろう文化と聴文化ってなに?

ろう者と聴者は違う文化をもっています。それぞれの文化は歴史的に受け継がれ、無意識に身に付けているものです。どこがどう違うのでしょうか?例えば、使っている言葉、呼びかける方法、どんなことを失礼だと思うか、どんな芸術やスポーツを好むか、などが違います。この違いを知らないと、ろう者と聴者が理解し合うことは難しくなります。だからバイカルチュラル(2つの文化)ろう教育も大切なのです。

難聴・聴覚障害者

なぜ「難聴」とか「聴覚障害者」と呼ばないの?

私たちは、聞こえないことをマイナスとか不幸とか不自由だとは考えていません。生まれたときから聞こえない子は、それがフツーなのです。親やまわりの大人が、ありのままを尊重し受け入れることで、子どもは聞こえないことに臆することなく自信をもって成長することができます。「難聴」「聴覚障害児」は、読んで字のごとく聞こえる人を基準にした呼び方なので、聞こえない=マイナスの印象が色濃く出ています。「聞こえないことは不自由」というのは、聞こえる人の価値観であり、ろう者の本来の価値観ではないのです。

聴者

なぜ「健聴者」ではなく「聴者」と呼ぶの?

ろう者にとって「ろう」であることは当たり前のこと。それを不健康だとは考えていません。一方、聞こえる人の中にも健康ではない人がいます。聞こえるだけで健康であるという呼び方は不自然なので、私たちは「ろう児(者)」・「聴児(者)」という現実的でシンプルな呼び方をしています。

人工内耳 < 1 >

人工内耳について、どう思いますか?

人工内耳や補聴器がなくても、ろう児はのびのび成長します。また、補聴器や人工内耳の技術がどんなに進歩しても、それによってろう児が聴児にはなることはありません。ろう者の中には、「人工内耳はろうであることを否定することだ」と激しい抵抗感を訴える人も多数います。保護者の皆さんには、ご自分のお子さんがろうであることを誇りに思う子育てをして欲しいと思っています。

子どもが新生児聴覚スクリーニングに引っかかり(感音性難聴)医者の勧めるまま人工内耳の手術をしましたが今となっては後悔しています。はっきり言って失敗だったと。問題点が山積みだと思います。発音について人工内耳をしてなかった場合と差があったのか分からないのです。とくに深いコミュニケーションをとることが出来ないのです。このままではうまく人間関係を自ら築き社会に入っていくのは難しくなってしまいます。それが人工内耳を反対する理由です。やっと限界が見えてきました。欠点のひとつMRIが一生使えなくなるなんて事前に医者からの説明(インフォームド‐コンセント)は全くなかったです。これが人工内耳の失敗例ですと差し出す親はなかなかいないのでごくごく少数の成功例(なにをもって成功というのかも議論が必要)が宣伝に使われていることに早く気が付けばよかったのです。反省しています。人工内耳の手術の費用は。人工内耳の子どもたちの様子がわかる動画など。母語と第二言語のどちらも十分に使えない「セミリンガル」「ダブル・リミテッド」

人工内耳 < 2 >

人工内耳をしても手話は身につきますか?

はい。人工内耳をつけても、親やまわりの大人が手話を否定せず、ろう社会と交流していれば、ろう児は手話を身につけます。それは、ろう児にとって手話が自然言語である証拠だからです。ただし、人工内耳は聴覚口話法が基本です。現在の日本のろう教育環境では、バイリンガル(日本手話と書記日本語)に育つ可能性はとても低いと思います。

相談

早期相談と乳児相談は違いますか?

同じと考えていいと思います。いずれも幼稚部(3歳児~5歳児)に入る前の乳幼児期の相談や指導のことで、関東地方では「乳児相談」、関西地方では「早期相談」と呼ばれることが多いようです。

教育相談

新生児スクリーニングで耳が聞こえない、聞こえづらい、難聴と診断されました。難聴児の育て方、教育方法などの相談やアドバイスを受けたいのですが?

当センターでは子育て・教育相談を行っております。子育て・ご相談は随時受け付けております。また、聞こえにくい・ろうのお子さんのご家族対象の手話教室や、情報提供、交流会、学習会、講演会なども行っております。お気軽に下記までお問い合せください。
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